Modbusデータを読み取る方法

この記事では、最も高度なModbusリーダープログラムである「Serial Port Monitor」を使用してModbusデータを読み取り、記録する方法について説明します。もしあなたがローカルデバイスネットワーク内でModbus標準を統合することを検討している場合や、Modbusを積極的に使用している場合、このチュートリアルが役立つでしょう。

目次

1. Modbusリーダーソフトウェア
   • 1.1. Modbusデータの読み取り方法
   • 1.2. Modbusレコーダーソフトウェアがサポートするその他の強力な機能
2. Modbusとは何か
   • 2.1. 仕組みは？
   • 2.2. 用途は？
   • 2.3. Modbusデータの整合性
   • 2.4. Modbusの距離と速度

Modbusリーダーソフトウェア

「Serial Port Monitor」は、Modbus RTUおよびASCIIプロトコルデータをデコードし、読み取って記録するためのプロフェッショナルなRS485 Modbusリーダーおよびデータロガーです。

このソフトウェアを使用すれば、Modbusネットワーク内で通信するシリアルデバイスのModbusデータとトラフィックの読み取り方法が分かります。このアプリはRS232、RS422、RS485などすべてのシリアルポートをサポートしています。

このプログラムは、シリアルアプリケーションとハードウェアの開発者およびテスター、さらにはModbusベースの機器とソフトウェアを扱う専門家を対象としています。シリアルインターフェースを介して受信または送信されたメッセージの解釈や解析に役立ちます。

「Serial Port Monitor」の大きな利点の1つは、キャプチャされたデータを便利で読みやすい形式で表示できることです。このアプリには「テーブルビュー」「ダンプビュー」「ラインビュー」「ターミナルビュー」の4つのデータビジュアライザーがあり、表示モードを1つ、2つ、または全て同時に有効にすることができます。

さらに、このソフトウェアには高度な検索およびフィルタリングオプションが組み込まれており、ターミナルモードではテキストコマンドの実行が可能です。

Modbusレコーダーソフトウェアがサポートするその他の強力な機能

• このソリューションは、Modbus通信の問題をリアルタイムで検出し、監視および表示を行います。
  
  
• 別のアプリケーションが使用中でも、COMインターフェースのスニッフィングを開始できます。
  
  
• Modbusリーダーソフトウェアを使用すると、複数のRS485ポートを同時に監視可能で、全てのModbusデータがFIFO（先入れ先出し）方式に基づいて1つのログに記録されます。

Modbusとは何か

Modbusは、電子機器間でデータをシリアルチャネルを介して転送するために使用されるシリアル通信プロトコルです。標準的なModbus通信では、1つのデバイス（Modbusマスター）がデータを書き込むか、他のデバイス（Modbusスレーブ）からデータを要求します。通常、Modbusネットワークには1つのマスターと最大247台のスレーブがあります。プロトコルは、データ転送のためにRS-485、RS-422、RS-232インターフェース、およびEthernet TCP/IPネットワーク（Modbus TCPプロトコル）を使用します。

仕組みは？

Modbusデータは、COMベースの2つのデバイスを接続するシリアルチャネルを介して送信できます。標準のシリアルケーブルを通じて、1と0（データビット）の一連の情報を伝達します。各ビットは電圧として送信されます。Modbus接続は非常に高速で、通常の転送速度は9600ボーです。データは8ビット単位のブロック（バイト）で送信され、00からFFの256文字ペアで表されます。

用途

Modbusは、産業分野において、制御デバイスから中央データ収集システムへのデータ転送に広く使用されています。例えば、湿度や温度を測定し、その結果を監視用コンピュータに送信するシステムが典型例です。また、Modbusプロトコルは、SCADA（監視制御およびデータ収集）システム内で制御用コンピュータと遠隔端末装置（RTU）を接続するためにも役立ちます。Modbusには、シリアル通信向けのバージョン（Modbus RTUおよびModbus ASCII）と、イーサネット接続向けのバージョン（Modbus TCP）があります。

Modbusデータの整合性

産業自動化や計装分野において、データの整合性を維持することは極めて重要です。センサーの測定値はそのままの状態でコントローラーに到達する必要があり、コントローラーからModbusデバイスへ送信される設定も無傷で到達しなければなりません。

通信中にデータが損傷すると、重大なエラーにつながる可能性があります。例えば、温度センサーが24°Cを測定しても、ビットの誤反転により18°Cとして伝わると、システムの応答に不具合が生じる可能性があります。

こうした問題を防ぐために、Modbusフレームには、データ整合性を確保するためのチェックサムが含まれています。この2バイトのチェックサムは、デバイスIDやPDUの各バイトから計算され、Modbusメッセージに追加されます。Modbusフレームを受信すると、デバイスはチェックサムを再計算し、送信されたチェックサムと比較します。一致しない場合、デバイスは破損したデータパケットを破棄します。

Modbusの距離と速度

ModbusはRS232、RS485、またはイーサネットケーブルを使用して動作でき、各ケーブルタイプが異なる距離および速度制限をサポートしています。例えば、RS232は通常、9600ボーで最大15メートル（約50フィート）まで対応します。

ほとんどのインストールではRS485が使用され、最大1,200メートル（約4,000フィート）の距離で115,200ボーの速度をサポートできます。一方、イーサネットはネットワークスイッチの速度に依存し、通常は最大100メートルまで対応します。

理論上、Modbus RS-485は115,200ボーまでの速度をサポートしますが、実際の運用では19,200ボーを超えることはほとんどありません。より高い転送速度は多くの場合不要で、多くのスレーブデバイスは高ボー速度に対応していません。